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志方華居

名前:志方華居
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Joe Okuda 『AMAMI』

その女性は奄美大島の出身でした。

騒ぐ子どもには、持っていた包丁で峰打ちして叱り、
浮気をした旦那は蹴飛ばして家から追い出し、
さっさとあっさり離婚してしまう、激しい、わかりやすい人でした。

離婚後は自分の収入で子どもたちを育てていましたが、
生活が苦しくなると、借金を重ねるようになりました。

生活を心配する子どもたちには
「大丈夫、なんとかなるから」と笑い、
別れた旦那には意地でも頼ろうとしませんでした。

そしてどんなに生活が苦しくても、
毎日楽しく晩酌をして、故郷の唄を歌っていました。

AMAMI


底抜けに無計画な彼女を見て育った末娘は、
大学への推薦の話を断り、信用金庫に就職して独立しました。

「あんな人にはなりたくない」
そんな固い意志で、自分の人生を歩きました。

酒は一滴も飲まず、慎ましい生活で貯金をし、
結婚し、子どもを産み、家計をやりくりして家を買いました。

ある日母親は、本人はいたって楽しそうな人生を終えました。

苛立ちや嫌悪しか感じない人生、と思えました。
自分は違う。そう思えるように、がんばりました。

息子が独立し、穏やかに残りの人生をすごそうとしていた時、
腎臓を患い、連鎖のように病が彼女を襲いました。

夫や息子に迷惑をかけている自分が許せませんでした。

長い闘病の末、弱りきった老いた体がありました。



「仕事で取材した人が出してるCD。いいと思ったから」

ある日、息子がふらっと家に立ち寄り、
一枚のアルバムを置いていきました。

それは奄美大島の森に降る雨、鳥の声、波の音、
そんな自然の音を集めたアルバムでした。

行ったこともない母親の故郷の音なんて……。
そう思いながら、アルバムを聴き始めました。

深い森、朝焼けの海、見たことのない景色が広がりました。

アルバムの最後の曲にだけ、初めて人の声が入っていました。
島唄でした。

涙が溢れ出ました。

縁側で晩酌をしながら歌う母親がいました。


Joe Okuda 『AMAMI』

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2008-10-30(Thu) 21:20| 音楽 本 映画| トラックバック 0| コメント 1

コメント

素敵なストーリーですね。
胸が熱くなりました。

2008-11-04(Tue) 15:24 | URL | Joe #CPXNej/2[ 編集]

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